ゲームを作りはじめて大きく変わったことの一つが音楽の立ち位置である。

 ゲームのBGMが好きだ。かっこいいからだ。ところがこれはプレイしたことがあるからそう思うのだ、ということに今さながら気づいた。プレイしたことのないゲームBGMを聞いたところでかっこいいとは思うもののそれ以上の感情は出てこない。

 
 ゲームに限らず音楽作成の盲点は此処である。


 世の中で評価されている音楽はほとんどの場合何らかの付加価値がついている。テレビドラマなり映画なり、加えてゲームもその一つだ。それらのものと組み合わさることで音楽は本来のポテンシャル以上の価値を持つことになる。それだけの価値を持ってはじめて音楽は評価される。


 インディーズやら売れてないアーチストの曲であっても駄目な曲を聞いたという経験は少ないのではないだろうか?そもそも音楽はどう作ろうがある程度のクオリティを確保できるのだ。写実画、彫刻などと違って絶対的な評価基準はない。作成者にとっても絶対的な評価基準など存在しない故、自分の評価=世間の評価と思い込んでしまう。


 そのように世の中はある程度のクオリティの音楽で溢れている。この楽曲群の中でいかに評価を得るかといえば音楽以外の要素を付加することしかない。


 私はゲーム以外よくわからないのでゲームミュージックの話をするが、あるコンポーサーさんが2つのゲームのサウンドを担当したとする。そのうち一方のゲームのみプレイした状態で両方の音楽を聴き比べてみよう。おそらく多くの人がプレイしたゲームの音楽を高く評価するだろう。

 
 なぜなら音楽が音楽以外の価値を持っているからである。音楽とともにゲームのビジュアル、プレイしていたときの感情、興奮が蘇る。方や音楽単独ではよっぽど想像力豊かな人でない限りただの音列でしかない。



 このような考えを経て私が現時点で音楽をどう捉えているか、


  音楽=素材


 音楽は単独では存在しにくく、なんらかのイメージを付加することで価値を伸ばすと考える。音楽のみで評価を得ようとするのは至難の業だ。作りてはそれが何に利用できるのか想像した上で作成するのが望ましい。

 

 数十年前、パソコンで音楽を作ることが難しかった時代は作るだけで賞賛されていただろう。だが時代は大きく変わった。その音楽のクオリティが低いわけではない。世の中はクオリティの高い音楽で溢れているのだ。

 
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